カメラを購入したからといって、すぐにフィルターを買う必要はありません。フィルターはレンズを保護するものと、光の反射や光量を調整して写真の見え方を変えるものに分かれます。目的に合わないフィルターを常用すると、画質低下やフレアの原因になることもあるため、撮影用途で選ぶことが大切です。
カメラ購入後にフィルターが必要かは、撮影用途で決まる
フィルターの必要性は、レンズを傷や汚れから守りたいのか、反射を抑えたいのか、明るい場所で撮影効果を出したいのかによって変わります。
| 目的 | 向いているフィルター | 必要性の目安 |
|---|---|---|
| レンズ表面を保護したい | 保護フィルター、クリアフィルター | 撮影環境によっては有用 |
| 水面やガラスの反射を抑えたい | PL・CPLフィルター | 風景や屋外撮影で有用 |
| 明るい場所でシャッター速度を遅くしたい | NDフィルター | 動画や長時間露光で有用 |
| 紫外線を防ぎたい | UVフィルター | デジタルカメラでは必須ではない |
レンズ保護用フィルターは必要?
レンズの前面を砂ぼこり、泥、水しぶき、指紋などから守りたい場合は、保護フィルターが役立ちます。ただし、フィルターを付けていればレンズが必ず傷つかないわけではなく、強い衝撃から守るものでもありません。
街中や室内で慎重に撮影するなら、フィルターなしでレンズフードを使う方法もあります。一方、海辺、砂浜、山、雨天、子どもやペットの近くなど、レンズが汚れやすい環境では保護用フィルターを付けるメリットが大きくなります。
保護フィルターを使うメリット
- レンズ前面に付く汚れをフィルター側で受けられる
- 水滴やほこりを拭き取りやすい
- レンズ本体の前玉を直接触る機会を減らせる
保護フィルターの注意点
フィルターを追加すると、レンズと空気の境目が増えるため、逆光時にフレアやゴーストが出やすくなる場合があります。安価な製品やレンズに合わない製品では、画面の周辺が暗くなる「ケラレ」が起きることもあります。
保護目的で選ぶなら、レンズの性能を大きく損なわないよう、レンズの口径に合った品質の製品を選び、逆光で写りが悪いときは一時的に外すとよいでしょう。
UVフィルターはデジタルカメラに必要?
UVフィルターは紫外線を抑える目的のフィルターですが、デジタルカメラでは撮像素子や画像処理の影響もあり、紫外線対策だけを目的に必ず装着する必要はありません。
現在は、UVカットよりもレンズ保護を目的にUVフィルターを使う人が多い傾向があります。ただし、UVフィルターを保護用として使う場合も、逆光でのフレアや画質への影響を考えて選ぶ必要があります。
紫外線対策だけが目的なら必須ではなく、レンズ保護が目的なら撮影環境に応じて検討するという判断が基本です。
PL・CPLフィルターはどんな撮影に必要?
PLフィルターは、光の反射を抑えたり、空や植物の色を強調したりするためのフィルターです。カメラを回転させて効果の強さを調整できるタイプを、CPLフィルターと呼びます。
次のような撮影では、PL・CPLフィルターが役立ちます。
- 水面の反射を抑えて、水中や水底を写したい
- ショーウインドーやガラス越しの反射を減らしたい
- 葉の表面の反射を抑えて、緑を濃く見せたい
- 青空の反射光を抑えて、空の色を強調したい
ただし、PL・CPLフィルターは光量を減らすため、シャッター速度が遅くなったり、ISO感度を上げる必要が生じたりします。効果は太陽の位置や撮影する方向によって変わるため、どの方向でも同じように空が濃くなるわけではありません。
風景、建物、水辺をよく撮影する人には便利ですが、室内撮影や夜景、人物撮影だけが中心なら、購入の優先度は低めです。
NDフィルターはどんな撮影に必要?
NDフィルターは、レンズに入る光の量を減らすフィルターです。明るい昼間でもシャッター速度を遅くしたり、動画撮影で適切なシャッター速度を保ったりするために使います。
たとえば、次のような撮影で使われます。
- 昼間の滝や川を、流れがなめらかに見えるよう撮影する
- 明るい場所で、動く被写体のブレを表現する
- 動画撮影で、絞りやシャッター速度を調整しやすくする
- 屋外で背景をぼかした人物写真を撮影する
NDフィルターには、光量をどれだけ減らすかによって複数の濃さがあります。濃すぎる製品を選ぶとピント合わせや構図確認が難しくなるため、撮影内容に合わせて選ぶ必要があります。
通常の写真撮影でシャッター速度や絞りをカメラに任せている場合、NDフィルターは必須ではありません。長時間露光や動画撮影をしたい人にとって、必要性が高いフィルターです。
フィルターより先にレンズフードを使う方法もある
レンズの保護が目的なら、フィルターだけでなくレンズフードも有効です。レンズフードは、レンズ前面への接触を防ぎやすく、斜めから入る光を遮ってフレアを抑える働きもあります。
ただし、レンズフードは水滴や砂ぼこりを完全に防ぐものではありません。保護フィルターとレンズフードは役割が異なるため、撮影環境によって使い分けます。
| 撮影環境 | 選び方の例 |
|---|---|
| 室内や街中で慎重に撮影する | レンズフードを基本にし、フィルターは必要なときだけ使う |
| 海辺や砂浜で撮影する | 保護フィルターとレンズフードを検討する |
| 水面やガラスの反射を抑えたい | CPLフィルターを使う |
| 滝や川を長時間露光したい | NDフィルターを使う |
フィルターを買うときの確認点
レンズのフィルター径を確認する
フィルターは、レンズの前面に記載されたフィルター径に合わせて購入します。レンズの焦点距離ではなく、レンズ先端にある「φ(ファイ)」に続く数字が基準です。
たとえば、レンズに「φ58mm」と書かれていれば、基本的には58mm径のフィルターを選びます。同じカメラメーカーのレンズでもフィルター径は異なるため、カメラ本体の機種名だけで判断しないでください。
広角レンズではケラレに注意する
広角レンズや複数枚のフィルターを重ねて使う場合、フィルター枠が写真の周辺に写り込むことがあります。広角レンズ用として設計された薄型の製品を選ぶ、フィルターを重ねすぎないといった対策が必要です。
可変NDは便利だがムラに注意する
可変NDフィルターは、回転させて光量を調整できるため便利です。一方、濃く設定したときに画面内で明るさのムラが出たり、色味が変わったりする製品もあります。
動画や明るさを細かく調整したい撮影では便利ですが、画質を重視する長時間露光では、固定濃度のNDフィルターと使い分ける方法もあります。
カメラ購入後にフィルターを選ぶ順番
フィルターを初めて購入する場合は、次の順番で必要性を判断すると選びやすくなります。
- レンズ前面のフィルター径を確認する
- レンズを使う場所や撮影内容を決める
- 保護、反射低減、光量調整のどの目的かを分ける
- 目的に合うフィルターを1種類から選ぶ
- 逆光や画面周辺の写りを確認し、必要に応じて外して使う
保護目的で購入するなら保護フィルター、反射を抑えたいならCPL、昼間の長時間露光や動画撮影をしたいならNDというように、目的と種類を対応させることがポイントです。
結論:フィルターは必須ではなく、撮影目的があるときに必要
カメラ購入後のフィルターは、すべての人に必要な用品ではありません。レンズを汚れや水しぶきから守りたい人は保護フィルター、反射を抑えたい人はCPL、明るい場所で光量を減らしたい人はNDを選びます。
まずはレンズのフィルター径と撮影環境を確認し、目的に合うものだけを購入しましょう。保護目的でも、レンズフードだけで足りる場合があり、フィルターを常に付けたままにする必要はありません。







