カメラのメモリーカードは対応規格でどう選ぶ?

カメラのメモリーカードは対応規格でどう選ぶ?

カメラのメモリーカードは、まずカメラが対応するカードの形状と規格を確認し、そのうえで容量・転送速度・書き込み速度を選びます。SDカード対応と書かれていても、SDHC・SDXC・UHS規格・UHSスピードクラスまで対応範囲が異なるため、カードの表示だけで判断してはいけません。

メモリーカードは「形状」と「規格」を順番に確認する

選び方の基本は、次の順番です。

  1. カメラのカードスロットに合う形状を確認する
  2. カメラが対応する容量規格を確認する
  3. 撮影内容に必要な書き込み速度を選ぶ
  4. 必要な容量と信頼できる製品を決める

カードが物理的に入っても、カメラ側がその規格に対応していなければ、認識しない、容量を正しく使えない、動画撮影が停止するといった問題が起こる可能性があります。

カメラが対応するカードの種類を確認する

最初に確認するのは、カメラ本体に装着できるカードの種類です。主な種類にはSDカード、microSDカード、CFexpress、XQD、CFastなどがあります。

カードの種類 主な特徴 確認すること
SDカード デジタルカメラで広く使われている SD・SDHC・SDXC、UHS規格、速度クラス
microSDカード 小型機器で使われる。アダプターでSDサイズにできる製品もある カメラがmicroSDに対応しているか。アダプター使用の可否
CFexpress Type A 小型の高性能カード。対応カメラが限られる Type A専用か、対応する容量・速度か
CFexpress Type B 高速連写や高ビットレート動画に使われる Type B対応か。Type Aとは形状が異なる
XQD 一部のカメラで使われるカード XQD対応か、CFexpress Type Bへの対応状況
CFastなど 一部の業務用・高性能機器で使われる カメラの指定規格とカードの種類が一致しているか

特に注意したいのがCFexpressです。Type AとType Bは大きさと端子の仕様が異なるため、同じCFexpressでも互換性はありません。カメラの説明書に「CFexpress Type A」または「CFexpress Type B」と記載されているかを確認してください。

SDカードのSD・SDHC・SDXCの違い

SDカードの「SD」「SDHC」「SDXC」は、主に容量とファイルシステムに関係する規格です。一般的な区分は次のとおりです。

規格 容量の区分 選ぶときの注意
SD 2GB以下 古い機器で使われることが多い
SDHC 2GB超、32GB以下 カメラがSDHCに対応しているか確認する
SDXC 32GB超、2TB以下 カメラのSDXC対応と、指定容量の上限を確認する
SDUC 2TB超、最大128TB 対応機器が限られるため、対応表の確認が必要

カメラがSDXCに対応していない場合、64GB以上のSDXCカードを使えないことがあります。一方、「SDカード対応」とだけ書かれていても、SDHCやSDXCまで含むとは限りません。カメラの取扱説明書やメーカーの仕様表で、カードの種類と対応容量を確認してください。

UHS-IとUHS-IIは転送方式が違う

SDカードのUHS-IとUHS-IIは、カードとカメラの間でデータを転送する方式です。UHS-IIカードには端子が多く、対応機器ではデータをより速く読み書きできます。

ただし、カメラがUHS-IIに対応していなければ、UHS-IIカードを入れてもUHS-IIの速度を十分に利用できません。逆に、UHS-II対応カメラでも、カードの実際の書き込み速度や撮影条件によって速度は変わります。

  • カメラがUHS-I対応の場合:UHS-Iカードを基本に選ぶ
  • カメラがUHS-II対応の場合:連写や動画の条件に応じてUHS-IIを検討する
  • カードリーダーも高速規格に対応しているか確認する

撮影後のパソコンへの読み込みを速くしたい場合は、カメラだけでなくカードリーダーやパソコン側の接続規格も確認が必要です。

速度クラスは動画と連写に必要な書き込み速度で選ぶ

カードの「読み込み速度」と「書き込み速度」は別です。カメラ内で撮影データを保存するには、特に書き込み速度が重要になります。

SDカードでは、主に次の表示を確認します。

表示 意味 確認する場面
スピードクラス C10などで表示される最低継続書き込み速度の区分 基本的な動画撮影や静止画撮影
UHSスピードクラス U1・U3で表示される最低継続書き込み速度の区分 高画質動画や連写
ビデオスピードクラス V30・V60・V90などで表示される動画向けの速度区分 高ビットレート動画や高解像度動画

たとえば、V30は最低継続書き込み速度が30MB/sの区分、V60は60MB/s、V90は90MB/sの区分です。ただし、カメラがその速度クラスに対応していることや、撮影モードの指定条件を満たすことが前提です。

動画撮影では、カメラの仕様表に「V30以上」「V60以上」などの指定があれば、その条件を満たすカードを選びます。単に「最大読み込み速度が速い」と表示されたカードでは、動画撮影に必要な継続書き込み性能を判断できません。

撮影内容別の選び方

必要な規格は、静止画だけを撮るのか、高速連写や動画を撮るのかで変わります。

撮影内容 重視する項目 選び方
通常の静止画 カメラとの互換性、容量、価格 カメラが対応するSD規格や容量から選ぶ
高速連写 書き込み速度、カードの安定した性能 カメラが推奨する速度クラスや規格を優先する
4Kなどの高画質動画 最低継続書き込み速度 カメラの指定するU3、V30、V60などを満たすカードを選ぶ
高ビットレート動画 高い継続書き込み速度と容量 カメラの動画記録条件に合うカードを選ぶ

同じ4K動画でも、記録方式やビットレートによって必要なカード性能は異なります。「4Kだからこのカード」と一律に決めず、カメラの記録モードごとの指定を確認してください。

容量は撮影枚数と動画の記録時間で決める

容量が大きいほど多くの写真や動画を保存できますが、必要な容量は画素数、RAWかJPEGか、動画のビットレート、撮影時間によって変わります。

撮影中にカードが満杯になるのを避けたい場合は、カメラの表示する記録可能枚数や記録時間を目安にします。長時間の動画撮影や旅行などでカード交換の機会が少ない場合は大容量カードが便利ですが、1枚にすべてのデータを保存することになる点には注意が必要です。

複数枚に分けると、1枚のカードに問題が起きた場合の影響を小さくできます。ただし、カードを分けてもデータ消失を完全に防げるわけではないため、撮影後は別の場所へバックアップしてください。

迷ったときはカメラの仕様表から逆引きする

カードを先に決めるのではなく、撮影モードから必要な規格を逆引きすると選びやすくなります。

  1. カメラの型番を確認する
  2. 取扱説明書やメーカーの仕様表で、対応カードの種類を確認する
  3. 使用したい撮影モードのカード条件を確認する
  4. 対応容量の範囲内で、必要な容量を決める
  5. 指定された速度クラス以上のカードを選ぶ
  6. 購入後、カメラ本体でカードを初期化してから使用する

カードを初期化すると、保存されているデータは消去されます。新しいカードでも、必要なデータが残っていないことを確認してから初期化してください。

対応規格を確認するときの注意点

「最大転送速度」だけを見て選ばないことが重要です。最大速度は測定条件によって得られる値で、カメラ撮影時の継続書き込み速度や実際の読み込み速度と一致するとは限りません。

  • カメラの対応カードとカードの種類が一致しているか
  • SDHC・SDXCなどの容量規格に対応しているか
  • カメラがUHS-IかUHS-IIか
  • 動画撮影に必要なV30・V60・V90などを満たしているか
  • CFexpressの場合はType AかType Bか
  • カメラのファームウェアや撮影モードに条件がないか
  • 正規販売店など、購入先と製品の信頼性を確認できるか

対応表に記載がないカードについては、「使えるはず」と決めつけず、カメラメーカーやカードメーカーの情報を確認してください。特に高価なカードや業務撮影で使うカードは、実際に使用する撮影モードでの動作確認も大切です。

カメラのメモリーカード選びで最初に見る項目

カメラのメモリーカードは、形状、容量規格、カメラ側の対応速度、撮影モードに必要な書き込み速度の順に確認します。SDカードならSDHC・SDXC、UHS-I・UHS-II、U3・V30などの表示を照合し、CFexpressならType A・Type Bを間違えないことがポイントです。

まずカメラの取扱説明書で「対応カード」と「撮影モード別の推奨条件」を確認し、その条件を満たすカードの中から容量と購入先を選んでください。