カメラのストロボは、暗い場所や逆光で光を補うために使用します。基本は、ストロボをカメラに取り付けて発光モードを設定し、被写体にピントを合わせて撮影します。自然な写真に仕上げたい場合は、正面から直接当てるよりも、天井や壁に光を反射させる「バウンス撮影」が有効です。
カメラのストロボを使う前に確認すること
最初に、カメラとストロボが対応しているか確認してください。メーカーや機種によって接点の形状、通信機能、対応する自動調光方式が異なるため、取り付けられてもすべての機能を使えるとは限りません。
- カメラのホットシューとストロボの取り付け部分が対応しているか
- 電池が入っていて、十分に充電されているか
- ストロボの発光部がロックされているか
- カメラ側でストロボの発光が禁止されていないか
- 撮影場所でストロボを使用してよいか
内蔵ストロボを使う場合は、必要に応じてカメラのストロボをポップアップさせます。外付けストロボを使う場合は、カメラの電源を切った状態でホットシューに差し込み、ロックしてから電源を入れると安全です。
カメラのストロボの基本的な使用方法
初めて使うときは、カメラを「P(プログラムオート)」や「A(絞り優先オート)」に設定し、ストロボをTTL自動調光にすると操作しやすくなります。TTL自動調光は、カメラが被写体に当たった光を測定し、発光量を自動で調整する機能です。
- カメラとストロボに電池を入れます。
- カメラの電源を切り、ストロボをホットシューに取り付けて固定します。
- カメラとストロボの電源を入れます。
- ストロボをTTL自動調光に設定します。
- シャッタースピード、絞り、ISO感度を確認します。
- 被写体にピントを合わせ、ストロボの充電完了表示を確認します。
- 試しに1枚撮影し、被写体の明るさと背景の写り方を確認します。
- 明るすぎる場合は発光量を下げ、暗すぎる場合は発光量を上げるか撮影条件を調整します。
ストロボの充電が完了していないと、シャッターを切っても発光しないことがあります。発光後はチャージランプなどが点灯または表示されるまで待ってください。
ストロボ撮影の基本設定
まずはTTL自動調光を使う
TTL自動調光は、ストロボ撮影に慣れていない人に向いています。被写体との距離や撮影条件が変わっても、発光量をカメラが自動で調整するためです。
ただし、白い服や明るい背景が多い場面では暗く写ったり、黒い服や暗い背景では明るく写ったりすることがあります。その場合はストロボの「調光補正」を使い、発光量を少しずつ調整します。
- 顔や被写体が明るすぎる場合:調光補正をマイナス側へ
- 顔や被写体が暗い場合:調光補正をプラス側へ
シャッタースピードは同調速度に注意する
ストロボ撮影では、カメラが対応するシャッタースピードの範囲に設定する必要があります。シャッタースピードが速すぎると、写真の一部が黒く写ることがあります。
カメラによって異なりますが、通常は1/125秒や1/200秒前後が基準になることが多いです。正確な上限は、カメラの説明書で「フラッシュ同調速度」や「シンクロ速度」を確認してください。
日中に絞りを開けたまま高速シャッターでストロボを使いたい場合は、「ハイスピードシンクロ」などの機能が必要になることがあります。ただし、対応するカメラとストロボの組み合わせが必要です。
ISO感度と絞りで背景の明るさを調整する
ストロボは主に被写体を照らし、シャッタースピードやISO感度、絞りは背景の明るさにも影響します。被写体だけでなく背景も明るく写したいときは、ISO感度を上げる、絞りを開ける、シャッタースピードを遅くするなどの方法があります。
ただし、シャッタースピードを遅くすると手ブレや被写体ブレが起きやすくなります。動く被写体を撮る場合は、明るさとのバランスを見ながら設定してください。
自然な写真にするバウンス撮影
ストロボの光を天井や壁に反射させて撮影する方法を、バウンス撮影といいます。光が広がって柔らかくなるため、ストロボを被写体へ直接向けるよりも、顔の強いテカリや硬い影を抑えやすくなります。
- ストロボの発光部を天井または壁の方向へ向けます。
- 天井や壁が白色または明るい色であることを確認します。
- TTL自動調光で試し撮りします。
- 顔が暗い場合は、発光部の角度や発光量を調整します。
黒い天井や色の付いた壁に反射させると、光が弱くなったり、壁の色が被写体に反映されたりします。天井が高すぎる場所や屋外では、反射光が十分に届かず、被写体が暗くなることがあります。
場面別のストロボ使用方法
| 撮影場面 | 使い方の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 室内で人物を撮る | 天井にバウンスさせる | 天井の色や高さによって明るさが変わる |
| 逆光で人物を撮る | 被写体にストロボを当てる | 背景が明るい場合は調光補正が必要になることがある |
| 夜景と人物を撮る | 背景が写るように露出を調整してからストロボを使う | シャッタースピードを遅くしすぎると手ブレしやすい |
| 動く被写体を撮る | シャッタースピードを確保し、必要に応じて連続発光を使う | 連続発光では充電が間に合わないことがある |
| 小物や商品を撮る | 直接光を避け、壁やレフ板などで光を拡散する | 光の向きで影の出方が変わる |
ストロボを直接当てる場合のコツ
バウンスできない場所では、ストロボを被写体に直接向けて使います。この場合は被写体との距離を確認し、顔に近すぎる位置から強い光を当てないようにします。
直接光で顔が白くなりすぎる場合は、調光補正をマイナス側に設定します。また、被写体の正面から少しずらして光を当てると、影の出方を変えられます。
ストロボにディフューザーを取り付けると光を広げられる場合があります。ただし、ディフューザーを付けただけで必ず柔らかい光になるわけではなく、使用する場所やストロボの光量によって効果は変わります。
写真が暗い・明るいときの調整方法
ストロボを使っても写真が暗い場合は、ストロボの充電状態、発光モード、被写体までの距離を確認します。バウンス撮影では光が遠回りするため、直接発光より暗くなりやすい傾向があります。
- 被写体が暗い:発光量を上げる、調光補正をプラスにする、ISO感度を上げる
- 被写体が明るすぎる:発光量を下げる、調光補正をマイナスにする、ストロボを離す
- 背景が暗い:ISO感度を上げる、絞りを開ける、シャッタースピードを遅くする
- 写真の一部が黒い:シャッタースピードを下げ、カメラの同調速度以内にする
- 発光しない:充電完了を待つ、発光禁止設定や接続状態を確認する
設定を一度に大きく変えると原因が分かりにくくなります。調光補正やISO感度などを1段階ずつ変え、撮影結果を確認すると調整しやすくなります。
ストロボを使うときの注意点
人の目の近くで強い光を繰り返し発光させないでください。特に乳幼児、光に敏感な人、発作の経験がある人を撮影する場合は、使用を控えるか、事前に十分確認する必要があります。
美術館、劇場、店舗、撮影会などでは、ストロボ撮影が禁止されていることがあります。撮影前に現地のルールを確認してください。また、連続して発光させるとストロボが熱くなるため、警告表示が出た場合は使用を中止して冷ましてください。
最初に試す設定
迷ったときは、カメラをPモード、ストロボをTTL自動調光、発光部を正面または白い天井へ向けた状態から始めると、基本的な結果を確認できます。撮影後に「被写体の明るさ」「背景の明るさ」「影の強さ」を見て、調光補正やバウンスの角度を調整してください。
ストロボは、まずTTL自動調光で試し、必要に応じて調光補正を行うのが基本です。自然な仕上がりを目指すなら、白い天井や壁へのバウンス撮影を試し、シャッタースピードがカメラの同調速度を超えていないか確認しましょう。







